中秋の名月
そして、竹取物語

声咲く

物語の祖でありながら
作者不明とされる『竹取物語』。
この『竹取物語』でかぐや姫が
月の都に昇ってゆく日、
それが今日やってくる中秋の名月でしたね。

旧暦の8月15日の美しい月夜の晩に
都の天人たちが雲に乗って姫を迎えにくるのです。

それを思うと
今日のお月さま、
また違う意味でジーンとしてしまいます。

物語は中秋の名月に向かって
見事なクライマックスシーンを
作り上げています。

物語センスが本当にすごいです。
物語が人の心には大切なんだということを
桜月流の制作の島田敦子さんも
鬼メタルのギター末原さんの息子さんで
俳優の拓馬くんも活動の中で訴えておられますが
本当にそうですね。

私たちは多くの物語に出逢った分だけ
成長し幸せになり、真理を学びます。

そして、人の創作能力って
古代から既に最高水準だったと言わざる得ないです。

このSFみたいな竹取。
一体、誰が書いたんだろう。

中国には似たようなお話があるともいうので
遣唐使となった名のある人が
当日の権力を気遣って名を明かせぬまま
書いたのかもしれません。

『源氏物語』も読んでいれば登場人物が
誰をモデルにしているのか当時の人々には
わかったというので竹取も同じだったりして。

物語文学だけど、王朝世界では
タブロイド誌的な要素もあり
貴族、宮中女房たちは
一喜一憂キャーキャー
井戸端会議の最大関心事のような
部分もあったのかもしれません。

かぐや姫は5名の求婚者たちに
無理難題を出して、その求婚を断わります。
かぐや姫を好きになった人は
その5名と帝の6名です。

石作の皇子、車持の皇子
そして
阿倍御連、大伴御行、石上麻呂。

阿倍御連は、安倍晴明のご先祖
大伴御行は、大伴氏
石上麻呂は、物部氏の人で
3名とも飛鳥時代の実在した高官です。
また、石作の皇子のモデルは、多治比嶋、
車持の皇子のモデルは、藤原不比等だとも
言われています。

彼らが存在した頃の帝というと女帝が乱立している時代。
そんな中、文武天皇がおられます。
しかも、文武天皇は25才の若さでご崩御される
短命の帝です。

帝は、かぐや姫が月へ昇ってしまった後
もらった不老不死の薬も
「かぐやのいない世で不老不死を得ても意味がない」と
富士の山(不死の山)の山頂で焼いてしまった、と言います。
その日から、富士山には煙が立ち登り続けている…と。

この結末も若く亡くなった文武天皇の姿に
重なると言われています。

月から竹に娘が授けられる。
翁と嫗に育てられる。
三ヶ月で成人する絶世の美女。
帝以下、多くの求婚を受ける。
十五夜に月の天人が迎えに来る。
月世界に還る。
月には不老不死の薬がある。
天の羽衣をかけられると地球での記憶を失う。

もう、このプロットができた段階で
完全勝利のストーリーですよね。

桜月流は、まずプロットから
剱の振付をしてから脚本になるので
プロットにはすごく関心があります。

美澪奈ちゃんが大人になったら
『かぐや姫』もやってみたいですね!
(おーー!リアルにそう思えてきます!)

かぐや姫の物語が
もし、日本になかったら
月を想う日本人の感覚は
今ほど文学的なロマンを
帯びてはいなかったと思います。

お月さまにはツクヨミの神さまがおられ、
うさぎがお餅をついており、
かぐや姫が住む月の都であり、
変若水という常若なる水の源でもある。

日本の、そんなお月さまに
収穫の感謝を捧げる今日
中秋の名月。

月が見えても見えなくても
お月見団子とススキを飾って
お月さまに祈りを捧げたいですね。

今日は、桜月流も
剱舞のご披露があります。

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