「胡瓜加持」をご存知ですか?
声咲く
2022年7月24日 日曜日
夏の土用の丑の日は
もちろん鰻なわけで、私も大好きですが。
京都では「胡瓜加持(きうりかじ)」を行います!
これは、病気や心の難儀を胡瓜に封じ込めて
土に還すという病封じの ”おまじない”✨
弘法大師空海が、
唐から持ち帰った秘法と言われています。
ですから、真言密教系のお寺では
今でも「胡瓜加持、胡瓜封じ」として
護摩をたいて御加持をしてくださるところがあります。
私の家では、夏のおまじないとして
これを行なっていました。
自分の身代わりになってくださる胡瓜のことを
「胡瓜殿」と呼びます。
なんだか、それが可愛いんです💕
さて、胡瓜にはあらかじめ小さな護符を挿しておきます。
(不思議な文字を書いて、挿し入れるのです。)
皆さまは、護符として
不動明王の梵字など書いたり
『願』という文字を入れたりなさっても
よいかもしれません。
そして、その胡瓜で治したい身体の部分
呪文を唱えながら3回さすります。
呪文
「ナマクサマンダ バサラダンカン」🔥
(不動明王さまのご真言です。)
ご真言を唱えることについては
大人になってから覚えたことで
幼い頃は「治りますように〜」とか
言葉をかけながらさすっていたと思います。
「胡瓜殿」に身代わりをお願いしたら
その胡瓜を土に埋めます。
水分の多い胡瓜は、すぐに土に還り…
その頃、病も消え去ると言われています!
私自身、祭祀について学ぶ機会があったので
今は、下記のような文言を「胡瓜殿」に結んでいます。
「子子孫孫ニ至ル迄
妨げ間敷候 依願 一札如件」
依願 一札如件(いがん いっさつだんのごとし)
など山伏問答みたいな文言や
不思議な文字の護符に、呪文。
和製『ハリーポッター』みたいな
とても楽しい行事です💫
💫 今年は、たくさん方々に
「胡瓜加持」をお教えしました。
コロナ禍なので、なさりたいという方々が多かったのです。
小さな胡瓜が神事用で、大きな胡瓜はご神饌。
小さな子たちは土へ。
大きな子たちは、お下がりで頂きます。
※ 今年は土用の丑の日は7/23の他
二の丑は8/4があります!
(旧七夕の日ですね🎋)
🟠 体をさすり(身)
🟠 声に出して(口)
🟠 祈り願う (意)
まさに、空海が伝えておられる身口意が
誰にでも整うように組み立てられていて
分け隔てなく注がれたお大師さまの御愛を感じます。
弘法大師空海さまにも、
胡瓜殿にも、感謝です💫
今年は、夏の風物詩
祇園祭が3年ぶりに斎行されましたね。
山鉾巡行、圧巻でした。
祇園祭の起源も疫病退散祈願。
お祭に関わる人々は、
その祭祀の一ヶ月間、
実は、「胡瓜断ち」をなさいます。
八坂神社 ⛩ のご神紋
「五瓜に唐花(ごかにからはな)」が
胡瓜を輪切りにした時の断面に
似ていて恐れ多いからだという習わしですが、
いずれも「胡瓜封じ」です。
胡瓜くん🥒 って、
神秘的で霊力のある存在だったのですね。