桜の花の蜜の味🌸
声咲く
2022年4月8日 金曜日
桜の花が、それぞれ違う味を持っていることをご存知ですか?
小鳥たちのようにひと花手折って萼をそっと外し
花柱をチューチューすると、仄かに蜜の味がします。
幼い頃と違って、気ままに摘むことも許されない時代となり
今は落ちた花を拾いますが
散りたてでないと味が感じられなくなってしまいます✨
私の主観ですが
オオシマザクラはいわゆる桜餅のクマリンが立っていて、
山桜はそれより少し青く山菜みたいな苦味がほんのりあります。
白妙や太白などの遅咲きの白い桜は
少しミントみたいな爽やかさがあり、
雲珠桜や御車返しのような大ぶりな里桜はバニラのように甘やか。
駿河台匂いはジャスミンやヒヤシンスみたいなすっきりした味がします。
そして、かの奈良八重桜は、
開く前の紫のバラの香りに似ていて
遠くから気品あるクマリンがやってきます…
「あぁ、これが千年の時なんだなぁ」とロマンを運んできてくれます!
いにしへの 奈良の都の八重桜
けふ九重に にほひぬるかな (伊勢大輔)
伊勢大輔は紫式部の後輩。
彰子のサロンに出仕している女房です。
奈良から宮中に届けられた八重桜の献上品を受け取るお役目を授かり、
これを即興で詠みました。
いにしえ古都の栄光をしのばせる奈良の八重桜が
九重(=宮中/今上帝、一条天皇の御世)で
さらに一層咲き誇っていることです✨
上村松園-伊勢大輔(上村松園展没後50年記念 美の精華より)
朝日新聞社事業本部より引用
めちゃ、カッコいい💓
即座に…! 不意打ちテストですよね!
日常からの修練の賜物です。
言霊さきはふ… まさに、幸わいまくっています!
そんな風にこのお歌が詠まれた時、
きっと「紫のバラ・クマリン」みたいな香りが
さやさや通リ過ぎたのではないでしょうか。
(絶対、蜜の味はお試しなさらなかったと思いますが…!)
多分、各木ごとにも少しずつお味が違うだろうと思います。
それは小鳥たちの方が詳しいです、きっと。
実は、ほんの小さな小枝の桜木皮を
カリカリっと食べても桜の味がします。
部分は全体で
全体は部分なんですね💗
さて、大好きな枝垂れ桜たちを思い出そうとしたのですが
私は枝垂れ桜の味を知りません。
山に、あまり自生していないから…でしょうか。
考えてみると、枝垂れ桜は御所とか有名なお寺さんの囲いの中にあって
皆さんのシャッターチャンスの只中にあったりで
機会を得ていなかったのかもしれません。
私が振る鈴は、桜の枝で出来ています!