旧暦二月二十五日『菜種御供(なたねごく))の日✨

声咲く

私は京都の北野天満宮のそばで育ちましたので
この菅原道真公の忌日のご神事が深く胸にあります。
明治以後『梅花祭』に改められましたが
道真公のお心を「なだめる」に通ずる菜種(なたね)
つまり菜の花をご神饌に献じるという古くからある祭祀です。

仙花紙 を筒状に丸めた紙立(こうだて)には
菜種が玄米に渦もれるようにして立っています。

後世に生きる者に歴史の真実や真相を知ることは難しいですが
学者の家から右大臣にまで昇りつめた道真公が
宇多天皇に重用されたことで多くの貴族に妬まれて
太宰府への左遷に繋がったであろうことは想像できます。

今も昔も変わらない人の世です。

大好きだった自邸に咲く梅木を二度と見ることなく
太宰府の地に果てた道真公が京に別れを告げる時に詠んだという和歌。
その話を「飛梅」と伝承される梅の下で
はじめて祖母から聞いた時には
涙が出ました。


東風吹かば  匂いおこせよ 梅の花
あるじなしとて  春な忘れそ
東風吹かば 飛び梅

その時、まだ、子供だった私は旋律をつけてこの和歌を歌いました。
私自身も幼いながら
道真公のお心を「御なだめする」ことをしたいと
思ったからだったのだろうと思います。

後から、高校で道真公が漢詩の達人であったことを知った時に
「それでも美しく哀しい『和歌』を詠んでいかれたんだなぁ。」と、
何とも言えず心が震えたことを覚えています。

『菜種御供』は、私たちが今あるために
力を尽くしてくださった先人たちの御霊に心を向ける
ひとつの雛型のように感じます。

そしてまた、今の世は、そんな道真公に敵対した御霊にも
同じく心を向けて祈るという「花結び」が大切だと感じています
🌼

今も全国の天神さまで、特殊神饌がご神前に捧げられている『菜種御供』。
北野天満宮では新暦を採用なされたので季節に合わせて
『梅花御供』として執り行われています💫

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