『花ごよみ』というお歌 ♬
声咲く
2022年4月25日 月曜日
春から夏へと、美しく可憐な花たちが
次から次へと咲いてゆきます✨
このTwitterにあげた『花ごよみ』は
花々が咲くのを予祝するためのお歌です。
小学生うたまいチャレンジ🔥
私と一緒に「うたまい」する春のお稽古。耳を澄まし、花々を想う🌸
『花ごよみ』
作詞作曲 神谷美保子桜/さくら 山吹/やまぶき
藤/ふたきぐさ 菖蒲/あやめ
あづさあゐ/おたくさ
笹百合/さゐ はちすはな/れんげ
花ごよみ#桜月流 #こどもみつるぎ #二刀基礎 pic.twitter.com/8I7MHpkaPL— 神谷美保子 (@kamiyamihoko) April 28, 2022
歌は輪唱になっていて、こども達も花の名を
古語和名で覚えられるように工夫してあります🌸
自分の声を相手の声に合わせるように
聴きながら
花が美しく咲く姿を心に想い描く。
左手には神楽鈴、右手には小刀。
これは、二刀稽古の基礎にもなっています💫
『花ごよみ』♬
桜 (さくら)
山吹 (やまぶき/山振)
藤 (ふたきぐさ)
菖蒲 (あやめ)
あづさあゐ(おた草)
笹百合 (さゐ)
はちすはな (れんげ)
花ごよみ
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それでは
ひとつずつ、お花を見てゆきましょう!
桜と山吹はそのままですね。
桜は前にもお伝えしたように
「サ(お米の精霊)の宿る クラ(おわすところ)」。
山吹は、古く「山振」と書かれていて、
柔らかい茎が風にさわさわと揺れる黄色が山全体を
振り動かすほど躍動して見えたからだったのだろうと思われます。
すると、次は藤(ふぢ)が咲きます。
藤には「ふたきぐさ」の古名があり、
漢字だと「二季草」。
晩春から初夏へふたつの季節を
駆け巡る花だからこの名があります。
藤浪が風に揺れると、
気品ある花房の香りに身も心もに包まれてしまいます。
藤の次は菖蒲、あやめです。
こちらの濃き薄きの紫も日本を代表する美です。
私は明治神宮の花菖蒲園でご奉仕していましたが
霧雨の中、静かに咲くあやめの美しさは
見飽きることがありません。
あやめの語源は、文目・綾目。
確かに花びらにあや模様が透けています。
そして、梅雨が深くなると、
カタツムリが歩く紫陽花が咲きますね
。紫陽花の古名は「集真藍/あづさあゐ」、
又の名を「おたくさ」と言います。
紫陽花ばかりは、いつも雨の中に
咲かせてあげたい水の属性の花。
集(あづ)は小さなものが集まるさまを意味し、
真藍(さあい)の「さ」は「さゆり」みたいな接頭語。
とすると、藍色の小さな花が集まって咲くのが
「集真藍(あづさあゐ」という意味でしょうか。
また、別名オタクサですが、
これはシーボルトが紫陽花に付けた学名
ハイドランジア・オタクサに繋がっていて…
これは、ドイツに戻る時に離れ離れになった
シーボルトの彼女「お滝さん」に由来して
つけられた学名からきている名なのです。
さて、同じ頃、山には笹百合が咲き乱れます。
日本だけに自生するユリの原種。
ほんのりピンクで古事記にも書かれている
三輪山・大神神社のご神花です。神秘の甘い香り。
三輪山にて大神神社と共に『鎮花祭』が斎行される
狭井神社の「さゐ、狭井、佐韋」がこの笹百合の古名です。
清らかで薬効高き花、姫神に寄り添う花です。
大神神社のサイトより
そして、いよいよ夏になり、ある朝、蓮の花がポン!という
開花音を立てて咲くのだと言いますが…
そのお花が「はちすはな」であり「れんげ」です。
泥の中から天上の花が咲き誇こる軌跡のような花です。
るるぶ島根 サイトより
これで、『花ごよみ』のお歌が
春から夏へと花の予祝をしながら
渡ってゆきました💫
祖母は「そう言ったら、そうなる。」と言っておりましたが
まさに、そういう歌であったらと思っています。
心を真っ直ぐに向けて、自分のあるがままを伝えようとする
シンプルな作用が生み出すモノではないかと考えています。
『純粋性』と言い変えることもできるでしょうか。
雲の流れ、藤の香り、天女さまが舞う姿…
全て『純粋性』の極みです✨
歌の語源は「訴える」ですから、
祈りを響かせながらダイナミックハーモニーの風を
一門皆で起こしてゆきたいです!