「相反するものを結ぶ」
声咲く
2022年2月25日 金曜日
「相反するものを結ぶ」ということを
美剱では深く問うてきました。
そこに進化した身体を作動させるためのカギがあると信じたからです。
きっと、空海や武蔵のような方々が
会得しておられたことであろうとも感じています。
相反するもの…。
例えば、螺旋と直線があります。
しかし、それが宇宙の要素なのだと感覚したら、
それらはひとつでもあるはずだと知れるのです。
桜月流の師である佐治晴夫先生(数理学者)は、
いつも「共通項を探すことが大切ですよ」とおっしゃいます。
故佐々木将人先生(合気道の大家)からは、
「同時存在を考えよ」と常に教えて頂きました。
対極なものは対極であるからこそ輪郭美しく存在しますが、
それらは対極であれど共通項があり同時に存在することもできる。
宇宙の摂理にあるものたちが
目指せば必ず叶う神秘とも言うべきものだと考えたいのです。
私たち日本人は、瑞穂の国の住人です。
瑞穂とは、水(みづ)+火(ほ)です。
すでに陰陽両極を併せ持つ国の物語の中に我々はいる。
「ことだま」に込められた素晴らしい教えがここにあります。
戦争は、相反するモノを殺す行為です。
相反する対極なモノがあるからこそ
振り幅を持って振動し
くるくる繋がりながらとけあうことができるのに… 。
美しい技芸や神楽、表現や作品には
陰陽が解けあってバランスしています。
見えるものを、見えないものが支えているからです。
そこに、平和のきっかけがないでしょうか。
桜月流は、剱(つるぎ)で
美しい振動を捧げてゆきたい。
心から、そう思っています。