さて、続いて３限の公開授業は、
女武者ともいうべき華やかな時代装束の勇姿！
籠手（こて＝手の甲から肘にかけてを守る防具、本来は鉄製で周りに布が施される）と
脛当（すねあて＝膝からくるぶしを守る防具）をつけて
裁着袴（たっつけばかま＝裾を脚絆で絞るタイプの袴）という
まさに戦闘態勢の出立。

金糸の入った朱と緑の装束を、
なんと可愛らしく着こなしておられることか。

額には鉢巻が巻かれています。
この位置に鉢巻を巻くと目がハッキリ見えるとも言われ、
これも戦いのためのアイテムなのです。

では、このチームのメンバーを紹介致しましょう！

左から、中２の百々子（ももこ）ちゃん、６年生の萌々穂（ももえ）ちゃん、
中１のゆづみちゃん、中３の美澪奈（みれな）ちゃんです！

このチームは３番目のチームなので、事前授業の時、
いつも前の組の人たちのやっていることを見ていました。
その観察洞察が、とても優れていたのではないでしょうか。

つまり、この４名の出来栄えが、殊の外良くて
私は、これは天才的なチームではないのか！？　と
公開授業直前の立ち稽古の瞬間に思ったのでした。

私は担任の森先生に、このチームの公開稽古は
「一段階難しいことを新たに挑戦させたい」と
舞台袖でお伝えし、私もぐいっと眉毛をあげてステージに上がったのでした。

いつもレッスン内容は、詳細には決めていません。
１限は、父兄さんもはじめてご覧になるので基本的なことをやり、
剣舞と立ち廻り（殺陣）があることをお伝えする。
２限は抜刀をできるようにする。
ぐらいで、あとはその時の生徒さんたちを見て
即興的に内容を組み立てます。

ここでは、まずもって、こういう装束を着ているのですから
俊敏な動きを身につけて頂きたいと思いました。

それで、逆手にツルギを持ちスピードのある力感で走ることと、
後方へ一回転しながら飛んで逃げるように
相手の技をかわしつつ袈裟で斬る！（鬼飛び袈裟）という
難易度の高い手をやってもらうこと、に致しました。

まず、逆手（右手の持ち方の天地を逆にして、忍者のように片手で振れるような持ち方）で
走ってもらうと、皆、勝気でいい走り。
振り返って構える！というところまでの
高度な技をお教えしましたが、
美澪奈ちゃん、百々子ちゃんは、すぐに出来ました。

小さな萌々穂ちゃんと、マイペースなゆづみちゃんは、
振り返って決める！という形がなかなかできません。
しかし、いい線まで行ってますし、目の表情もだんだんと熱を増してきています。
実際、スピード感があるので、あともう少し頑張れ！
そんな気持ちで、仕上がるまでやりました。

私は、美澪奈ちゃんが、非常にいい握りで
走りたい！という前に出る心がよく身体に現れているなぁと感心していました。
それで、少し無謀かとも思いましたが
逆手で、斬り上げて追う　という振付をさずけてみました。

すると、勢いよく振り抜くではありませんか！？

これは！！

では、この相手に、
百々子ちゃんを入れて鬼飛び袈裟をさせてみよう！

私は、驚くべき感動を持って、
芯（しん＝斬り役）と絡（からみ＝斬られ役、追われる方）の両方を　
さくら学院のメンバー間でやって頂くことにしました。

相手の呼吸を受けるのも、相手に呼吸をあげるのも
初心者には難しいことです。
ですから、今まで、お相手は私たちがやってきました。

しかし、ここで、私は女武者のお嬢さんたち同士で
相手を組ませるというワンランク上の振付をお与えしたのです。

※続きは、次回に♡

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