旧六月十六日「嘉祥 の祝」
声咲く
2022年7月14日 木曜日
今日は、旧暦の六月十六日。
「嘉祥 (かしょう)の祝」という
御菓子をいただいて
疫除招福の祈願をする日です✨
16にちなんだ御菓子=和菓子(お餅、果物を含む)
を神前に供え、そのお下がりを
皆で分けあって食すと
疫鬼疫病も払われるというのです !
なんと、素晴らしい日でしょうか❤️
その起源は平安時代、仁明天皇の御代。
丁度、今と同じく疫病が蔓延し
社会的な不安が広がっていたのです。
そんな時、太宰府に白い亀の献上があり…
これは、吉兆であるとのことで
仁明天皇は元号を
「承和」から「嘉祥」に改めて縁起担ぎをし
さらに、六月十六日に16種類の和菓子を
神に捧げ祈ったところ
疫病がたちどころにおさまったというのです✨
「嘉祥」とは
“めでたいしるし” という意味。
宮中ばかりでなく
この風習は後世に徳川家康が大変重んじました。
江戸城の大広間に2万個を超える和菓子が並べられ
将軍から大名や旗本に御配りをなされたというほどです。
千代田之御表 六月十六日嘉祥ノ図(虎屋文庫)より
昔の人々にとって、
和菓子はとても栄養滋養のあるもの。
甘い小豆などを召すことで元気になり
招福や厄除になるのです。
特に、この行事には吉兆を感じる
「めでたいしるし」を大切に扱います。
年長のこども達には、
そんな話を聞かせながら小さな折敷に
自分自身で献饌してもらいました。
さて、このお祝いに大切なのは
ヒバの葉と、16という数字です。
江戸時代の文献にも御菓子類がヒバの上に
盛り付けられています。
そして、16にちなみ、
16種類、1+6で7種類などの
和菓子を準備します。
うちでは、16個の和菓子を
ヒバの葉にお乗せして捧げます。
深い森の香り。
こんな風に、各クラスの度に
16の和菓子をヒバに盛り付けては
皆でいただきました。
地球上からこの疫病が消え去りますように!
ここのところ、また感染が拡大している日本ですが
どうぞ、良い兆しがやってきますように✨
あんなにたくさんあった和菓子も
すっかりなくなって。
ヒバの葉だけが残りました。
それから、
最後に雅なお話をもうひとつ。
この日の夜、宮中や16歳の子女がいるお家では
月見が行われていたのだそうです。
私は知らなかったのですが
虎屋文庫さんの記事で拝読し、
皇室の方々などもその復興を願い
京都の神社などで関連の会を
開催なさりはじめておられるのだそうです。
その16歳の女の子は、御月見饅の真ん中に
萩のお箸で穴を開けて
今夜、その孔からお月さまを仰ぎ見るのです。
そのおまんじゅうの孔から月を愛でている間に
着物の御袖を切る作法が入り…
今日まで子供用だった長い袖を大人用の短い袖に
留めあげるのだそうです。
おぉ。。。
なんと雅な16歳の儀式。。。
月々に月見る月は多けれど
月みる月はこの月の月
(読み人しらず)
昨日は満月で
しかも、今年地球に最接近している
スーパームーンでもありました。
これもまた、
「おめでたいしるし」ですね💫