心が解放されないと
技も縮こまる

声咲く

先日、初段以上の上級生門下のための
棒術の特別セミナー2Daysを開催しました。

槍、薙刀、棒。
長物を稽古すると
その身体の使い方が剱術に
大きく役に立ちます。

大きく長いモノを扱うのですから
その持ち道具の全体と自分が繋がっている上で
重心を感じ、その中心を掴んでゆく必要があります。
(このファースト写真の先頭は、私の弟です。)

2枚目の写真の棒はLEDなので点々に写っていますが、
棒は手だけで振るのではなく、
身体全体を使うのがポイント、肝であります。

また、内回転か外回転かという
インナーから繰り出される
その一手(ひと振付)の意味も
わかっている必要があります。

まず、感じてイメージすることが大切であり、
「どっこいしょ」という反動で動くのではなく
桜月俗語としては「ゼロ発進!」が理想です。

宇宙と繋がってる感覚、とか
地球のマントルまで届く感覚、とか
桜月流ではよく話しますが
我々の求める動きは、
自然界を手本とする自然界のモノマネなので
そういう機能的な不自然でない動き
であればあるほどを良しと考えています。

それこそが、「美しい」なのだと考えています。

さて、そんな中、
私は、はたと稽古の中で
気がついたことがあります。

現在の門下たちの身体が開かない…のであります。
今回は棒でありましたが
うちでいうところの「開く」というのは
例えば、技を繰り出す時のアウトサイドイン
としての「開く」というようなことなのですが。
(これは、歌うことと非常に共通しています。)

こうして、文章にするのは非常に難しいのですが
とにかく、皆、一様に閉じているのです。
縮んでいるのです。
のびのびと柔らかくしなやかに
開かないのです。

これは、精神的なものに起因してるのか??

私はそんな風に感じはじめました。
門下たちも、現代社会の例にもれず
日々仕事や人間関係とか
彼らは多くの問題に悩まされ抱えているので、
精神が解放されていない…のか、と。

心も解放されていないと、技も縮こまる。
心技体というけれど、
心が身体に与える影響はいいも悪いも同量で
技にそのまま出てしまう。

彼らは上級生なので、一通りのことはできます。
しかし、もうひとランク昇りたいなら
この問題をクリアしてゆく必要があるのではないか。
基本的な動きは理解していて
しかし、もう一歩羽ばたけないというのは、
その出発点の心を含んだところの身体に
その解決の糸口があるのではないかと
切実に思ったのです。

聖書にあるように
イエス様は「幼子のようでありなさい」と
何度もおっしゃるけれど
まさにそれが技にも欲しい要素なのではないか。

しかし、心と身体の両輪で
技は伸びるのですから
心によって身体の伸びしろも増えるということ。
まだまだ、我らはできる!ということでもありますね♡

下丹田も肩甲骨も第五腰椎も大切。
全体で動く。それは呼吸だし、情熱だし、繋がること。

あともう少し、もう少しと、
少しずつでも向上前進、広げてゆきたいですね!

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