3限目
戦う「さくら学院」続編
鬼とび袈裟の巻
声咲く
2017年1月27日 金曜日
お話の途中ではありますが、
この美澪奈ちゃんの 抜き胴 は、圧巻でした!(このお話は、今日のラストで。)
はてさて、というわけで続編へ参りましょう。
私はお嬢さんたち同士で相手をしあうという
振付を授けたのでした。
お互いの距離がある程度離れていでば
斬る・斬られるという間合いにはなりません。
追う・追われるという関係性になります。
美澪奈ちゃんは、逆手で袈裟から斬り上げを
相手にはっきりと呼吸をあげながらしっかり浴びせかけてゆきます。
少し、握り方をご指導すると、こんなにいい軌道になりました。
最初にやったときは、
このような感じでした。少し、軌道がぎこちないですね。
松木くんが、左腰から肩へ斬り上げるように目印をお与えしています。
さぁ、そんな美澪奈ちゃんの相手をする3名の振付を
私は一度だけお見本を見せて差し上げました。
すると
なんの理屈もなく、百々子ちゃんは見よう見まねで一回転して飛び退いたのです!
これも、すごい!!
皆さんも、ぜひ、オフィスや公園でやってみてください。できますか?
普通の人間が一回転して飛び退くという経験はないでしょう。
それが、できちゃうって前世忍者ではないでしょうか(ぷぷっ)。
美澪奈ちゃんがきっちり相手に呼吸をあげるのもすごいし、
それを受けて百々子ちゃんが、袈裟で受けてポーンと後ろへ飛び去り
着地と同時に袈裟を振り抜くのもすごい。
しかも、形が美しいですし、ツルギに力が乗っています。
私は、そのフィニッシュに際して、
百々子ちゃんに、エイっと声を出してみてくれる? と言いました。
すると、回転ざまに袈裟を振りながら相手に向かって「エイ!」と声を出せたのです!
すごい!!
これは、もう時代劇の中の一手として使える出来栄えではありませんか。
父兄さんも拍手喝采!
さぁ、では続いて6年生の萌々恵ちゃんです。
この小ささで、よく衣装に着られることなく着こなしている。
全く同じことをやってもらってみました。
すると…
萌々恵ちゃんは、勝気な気持ちが前に出て
頭が前に出て下がってしまいます。
腰が折れてしまう。
こんな若いお嬢さんがおばぁさんみたいに腰が引けてはいけません。
もう一度!もう一度!
フィニッシュ、頭をあげる、胸を起こすと思ってみて。
うん、と闘志を込めて萌々恵ちゃんは、ポーン ズバッっと
胸を起こして袈裟を振りました。
先輩の美澪奈ちゃんとも呼吸が合っているし
高い芯のある声で、「エイ!」
こちらも場内から大拍手です。
さぁ、続いては ゆづちゃんです。
彼女は、事前授業の時からそうなのですが、
非常に女の子脳で、幾何学だと解らなくなってくる。
右凌(しのぎ)ねとか、回転するときの刃は峰から移動ね、
などと言葉で言うと
?? となってしまう。
雨だれがこっちに滴れたいんだよね。とか同じ向きでやってあげるとすぐわかる。
全体を絵として捉え、この絵の後、この絵になる、
その時、手はこっちにある(右左ではないような理解)みたいな。
それを、できるようになるまで何度も何度も一人で繰り返して練習されていました。
さぁ、そんなゆづちゃんが、この鬼とび袈裟に挑戦です!
キュッと鉢巻しているおでこや眉間に力を込めて、
回転開始!袈裟!!〜お見事っ〜 「エイ!」
???
森先生が「それ、いっこく堂じゃないか〜」 (場内大爆笑!)
そんなんです。今のゆづちゃんは
素晴らしい技を見せつけてジャンプしざまに袈裟をしました!
その後に、「エイ!!」と言ったのです。
身体と声がバラバラ。なんのために「エイ!」と
声を出したのか解らないのです。
つまり、斬るときに声を出すのは、
その技を引き出し、身体をぐっと締めるためです。
彼氏に、平手打ちをする時
「バカッ!」と言いながら平手した方が
息を一瞬で吐くので力が入る。
「(ピシャン!) バカ!」と言うのも可愛らしいですが
そのピシャン!は、声や呼吸の力を貸してもらってはいないのです。
火事場のバカ力などと言いますが、
もし、火事場から大きなタンスを運び出すとしたら
「オーーーー!」とか「イケーーー!」とか言うと思います。
声は、身体に力を湧き上がらせるのです。
ゆづちゃん、今のじゃ、その声が身体に乗ってないよ?
斬る瞬間に、声を出さなきゃ!!
すると、ゆづちゃんは、それを理解して
見事に、声と袈裟を連動させてのでした!!
お見事ーーッ!!
「オーーーッ」と歓声が上がりました。
美澪奈ちゃんの相手は松木くんがして
同じ手を美澪奈ちゃんもやってみます!
声も力感も言うことなし。
彼女は、どう振ればツルギが理にかなった動き方をするのか、
どうも、生まれながらに感覚しているようです。
よし!!
ではーっ
この新しい手を、最後の本番の大ラスでやろう!
事前授業では全くやっていない振付ですが、
彼女たちならヤリきると感じました。
最後の振付が終わって、
新曲の「メロディック・ソルフェージ」の音がフィニッシュしたら
美澪奈ちゃんの「せーの!」の号令に合わせて、
鬼とび袈裟をしよう!その時、「エイ!」って元気よく声をかけてね。
それ、やってみれる??
はい!!やります!!
さぁ、それで、本番になったのです!!
これが、その時のフィニッシュ!
綺麗ですね。
各々の最後の振付の形が違うので
もし、左足が前の振付なら最初の袈裟の時に右足を踏まないと
うまく回転できないかもしれません。
もし、右足が前の振付なら、もう一度軽く右足を踏みつつ袈裟を
しておかないと次の回転が難しくなります。
膝をぐっと踏めば、逆足でも袈裟を触れるので、
うまくバランスをとったお嬢さんもいたかもしれません。
私は、その時、全く丁寧にどうしなさいとは伝えていません。
しかし、彼女たちは、飛びたい!ジャンプして袈裟したい!
という気持ちがあるので、できてしまうのです。
素晴らしいです!!
身体と意思は両輪なのです。
今回、東京ウォーカーさんなどのネットニュースや
音楽ニュースのナタリーさんのお写真をブログでは使わせて頂いていますが、
私は、ツイッターに出ていたこの一枚の抜き胴写真に息を飲みました。
バランス、力感、振り抜き…
天才的だと思いました。
初めてなんですよ?
3年経ってもこうはできないでしょう。
さくら学院の皆さんは、きっと思いやりが深いのだと思います。
相手に心をきちんと向けることがベースとしてできてる。
そういう内面プラス、身体性が高いお嬢さんたちがたくさんおられる。
私たちの方こそ、学びの多い公開授業でした。
萌々穂ちゃんと松木くんの もえもえほ〜、ふみふみほ〜の
面白い話もあるのですが
また、何かの機会にっ!
★明日の土曜日は、
神谷美保子と松木史雄のインターネットラジオ「みつる技研究所」がオンエアの日です!
明日のラジオと来週のラジオでは、さくら学院の話をしたいと思っています!
(ウエブサイトには、ラジオのアイコンもありますので♪ お聞きくださいね♡)
練馬放送(インターネットラジオ)
★毎週土曜/13:00-、19:00- オンエア
★再放送・月曜/20:30-、23:00-