旧暦三月十三日 『十三詣り』
声咲く
2022年4月13日 水曜日
関西では『十三詣り』という行事を大切に致します。
私も京都、嵐山の法輪寺へ参拝した記憶があります。
13歳を迎える子供たちが智慧を授かるために詣でる行事。
男の子にとっては半元服、女の子にとってはお嫁いりの準備となる日です。
皆、晴れ着を着て、
一文字好きな漢字を心に決めてゆきます。
ご本尊 虚空蔵菩薩さまに墨書文字を奉納して、
御祈願を終えたら…
渡月橋を渡り終えるまで絶対に後ろを振り返ってはいけません。
この神話や昔話にもよく登場する
「後ろを振り返ってはいけない」とされる風景ですが
実際に自分がやるとなると想像以上に緊張するもので
言葉にならぬ恐ろしさのようなものと何故か高まる誘惑との間で
戦わねばなりませんでした。
その体験が何とも強烈な思い出となって残っています。
「七五三」とはまた違う特別で厳粛な、
そして、精神的に少しお姉さんになる準備を
させられたような通過儀礼でした。
正式には山の桜が咲く頃🌸旧暦三月十三日に行うのが本義。
満月には少し欠けた13番目のお月さまの日にお詣りします。
(しかしながら、現在は新暦3/13で行う方も多いようです。)
さて、虚空蔵菩薩さまは空海にあの「求聞持法」をお授けなさった
叡智も慈悲の心も無尽蔵な菩薩さま。
右手に宝剣、左手には智慧の如意宝珠。
虚空は虚無と違って
見えないけどいっぱいにつまっていることなので
まさに大宇宙そのものです。
ノウボウ アカシャ キャラバヤ
オンアリキャ マリボリソワカ
この真言を1日に1万回、100日間唱えると(100万回!)
あらゆる経典を瞬時に理解する記憶力が得られるという「求聞持法」。
私も空海のようになりたくて、大学生の時に挑戦しましたが
全く全然できませんでした…!!(時間が全然足りません⚡️🔥⚡️)
桜月流の4歳から10歳までを対象とした「こどもみつるぎ」のクラスでも、
『十三詣り』にちなんで好きな文字をひとつ、皆に書いてもらいました。
あらたまって文字を書くと、その字が心に深く入ってくるようで...
剱、純、渚、緑、桃、海、晴、餅etc…
好きな文字が登場してきました。
私は「美」と書きました💫
さて、虚空蔵菩薩の梵名は、アーカーシャガルバ。
「虚空の母胎」という意味を持つそうです。
我々は皆、智慧を授けてくださる
虚空蔵菩薩さまの胎内に守られている
家族とも言えますね🌎
今晩、月齢十三の月が世界の夜空に昇ります。