旧六月十六日「嘉祥 の祝」

声咲く

今日は、旧暦の六月十六日。
「嘉祥 (かしょう)の祝」という
御菓子をいただいて
疫除招福の祈願をする日です

16にちなんだ御菓子=和菓子(お餅、果物を含む)
を神前に供え、そのお下がりを
皆で分けあって食すと
疫鬼疫病も払われるというのです !

なんと、素晴らしい日でしょうか❤️


その起源は平安時代、仁明天皇の御代。
丁度、今と同じく疫病が蔓延し
社会的な不安が広がっていたのです。
そんな時、太宰府に白い亀の献上があり…
これは、吉兆であるとのことで
仁明天皇は元号を
「承和」から「嘉祥」に改めて縁起担ぎをし
さらに、六月十六日に16種類の和菓子を
神に捧げ祈ったところ
疫病がたちどころにおさまったというのです


「嘉祥」とは
“めでたいしるし” という意味。

 

宮中ばかりでなく
この風習は後世に徳川家康が大変重んじました。
江戸城の大広間に2万個を超える和菓子が並べられ
将軍から大名や旗本に御配りをなされたというほどです。


千代田之御表 六月十六日嘉祥ノ図(虎屋文庫)より

 

昔の人々にとって、
和菓子はとても栄養滋養のあるもの。
甘い小豆などを召すことで元気になり
招福や厄除になるのです。
特に、この行事には吉兆を感じる
「めでたいしるし」を大切に扱います。

年長のこども達には、
そんな話を聞かせながら小さな折敷に
自分自身で献饌してもらいました。

 

さて、このお祝いに大切なのは
ヒバの葉と、16という数字です。
江戸時代の文献にも御菓子類がヒバの上に
盛り付けられています。

そして、16にちなみ、
16種類、1+6で7種類などの
和菓子を準備します。

うちでは、16個の和菓子を
ヒバの葉にお乗せして捧げます。
深い森の香り。

こんな風に、各クラスの度に
16の和菓子をヒバに盛り付けては
皆でいただきました。

地球上からこの疫病が消え去りますように!
ここのところ、また感染が拡大している日本ですが
どうぞ、良い兆しがやってきますように

あんなにたくさんあった和菓子も
すっかりなくなって。
ヒバの葉だけが残りました。

それから、
最後に雅なお話をもうひとつ。

この日の夜、宮中や16歳の子女がいるお家では
月見が行われていたのだそうです。

私は知らなかったのですが
虎屋文庫さんの記事で拝読し、
皇室の方々などもその復興を願い
京都の神社などで関連の会を
開催なさりはじめておられるのだそうです。

その16歳の女の子は、御月見饅の真ん中に
萩のお箸で穴を開けて
今夜、その孔からお月さまを仰ぎ見るのです。
そのおまんじゅうの孔から月を愛でている間に
着物の御袖を切る作法が入り…
今日まで子供用だった長い袖を大人用の短い袖に
留めあげるのだそうです。

おぉ。。。
なんと雅な16歳の儀式。。。


月々に月見る月は多けれど
月みる月はこの月の月
(読み人しらず)

昨日は満月で
しかも、今年地球に最接近している
スーパームーンでもありました。

これもまた、
「おめでたいしるし」ですね💫

 

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