七夕について

声咲く

七夕は、ぜひとも旧暦でお祝いしたい行事です💫

今年の旧七夕=伝統的七夕は、8/4。
当日の20時頃、南の夜空を高くを見上げると…
琴座のベガ⭐️とわし座のアルタイル⭐️が美しく輝いています!

この織姫と彦星の二つの星の間には美しいな天の川。
あかりのない暗い空の場所に行けば、
二人を分かつ天の川の星の流れがよく見えます。

旧七夕は、新月から数えて、
まさに七日目=7番目のお月さまですから、
半月🌓=9番目のお月さまより少し欠けていて…
まさに、天の川を渡る舟の形をしています。

昨日の新暦の7/7は、半月🌓でしたね。
新暦はお月さまの暦ではないので、
日にちは月齢とは関係がありません。
ですから、毎年、月のお舟の形はまちまちとなり、
しかもまだ、雨模様が多い季節。
もちろん、東の空に両星は見えていることは確かですが、
古来からのこの物語を表す空は、
旧七夕の夜にやってくるのです。

ですから、桜月流にとって、
七月七日は創流記念の祝いの日であり、
七夕🎋の祭祀は初秋にあたる旧暦の日にお祝いしています✨


これは、北野天満宮の七夕の写メです。

さて、そんな七夕行事は、
笹の葉に短冊をかける風習が江戸時代からはじまりましたが、
平安時代の和歌を辿ると、この日、
梶の葉に願いをしたためていたことがわかります。

秋の初風吹きぬれば 星合の空をながめつつ
天のとわたる梶の葉に 思ふ事書く比なれや
『平家物語』巻第一「祇王」より

「星合の空」とは織女と彦星の再会の夜空のこと。
「天のと」は「天の川の瀬戸」のことです。

他にも、歌を墨書した梶の葉に素麺を巻き
梶の樹皮で留めたのを歌を屋根に上げたり、
芋の葉の朝露で墨をすり
梶の葉に願いをしたためて川に流したり、
或いは角盤に浮かべたり。

いずれも、高いところや、水に映しては、
両星(織姫と彦星)の近くへ願い届けたいという
思いのあらわれ。
星への祈りです。

七夕の短冊の前身、梶の葉。
冷泉家の室礼である古式な梶の葉飾りなども、
とても素晴らしいです。

そんなお話をするためのビジュアルレクチュアで、
梶の葉を皆さまにお見せしました✨

私は毎年、墨で梶の葉に願いを書きますが…
とお話すると、
「本当に書けるんですか!?」と
一斉に声があがりました。

とても、ちゃんと、書けます💗
梶の葉は、和紙の原料でもありますから。


これは三年前の梶の葉。

さて、中国伝来の星合物語(乞巧奠)に先んじて、
日本には私の大好きな棚機津女(たなばたつめ)という
姫神さまもおられ、その名が“七夕(たなばた)”の
由来となっていますが、そのことはまた改めて
書きたいと思います。

旧七夕、伝統的七夕。
8/4のお空が楽しみです💫
星空は、明かりがなければないほど
よく見えます。

この日キャンドルナイトのイベントが
多いのもそのためです。

東京でも、三鷹あたりへゆけば
星空をゆっくり仰ぎ見ることができるのだけれど。
私も、あかりのない空を見上げに
行きたいと思います。

 

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