みつるぎ節会『旧暦で祝う〜七夕〜』レポート

声咲く

8月3日、旧七夕の前夜に
十名の皆さまと共に
『七夕』のお祝いの会を開きました。
これは、zoomで開催したもの。

その日のレポートとして、
編集者の篠田栞さんが読み物として
「みつるぎ節会」を御伽草子風に
まとめてくださいました。
イラストは、栞さんの妹の彩音さん。

そんな、みつるぎ草子のページと共に
旧七夕を振り返りたいと思います。

そう、ここにも書かれているように
七夕の物語の夜空には、舟型のお月様が
いてくださらねばなりません。
だから、月の暦である
旧暦でお祝いしたいのです。

織姫と彦星の伝説『乞巧奠(きっこうでん)』
が唐から伝来されるずっと以前から
日本には棚機津女(たなばたつめ)の物語がありました。

その姫神さまは、水辺の八尋殿で
この日までに神御衣(かむみそ)を織りあげる
聖なる手仕事をなさっておられたのです。
七夕と書いて「たなばた」と呼ぶのはそのためです。

上のみつるぎ草子にもある通り
棚機津女と織姫が結びついて、
『七夕』行事は語り継がれてきており、
いずれも夜空にも7番目の舟型のお月さまが
浮かんでいる日の物語なのです。

 

棚機津女の神御衣は
「夜明けの晩」に仕上げられる…

これがとても神秘的に感じられるのは
私だけでしょうか。

だから、「七夕のおまじない💫」は
七月七日の前夜におこなうのです。
そして、ベガとアルタイルが天頂に昇る頃
星が水辺に映りやすくなる時刻に向かって
願いをしたためるのです。

さて、古式七夕の願い事は、
笹の葉ではなく梶の葉にしたためます。

だから、古式な七夕飾りには梶の葉が
飾られているのです。

笹の葉に短冊をかけるのは
江戸時代以降のスタイル。

ものごとの起源をさぐると、
節会が意味する大切なことが見えてきます。

もともとは、星に手向けた
和歌を梶の葉に書いて捧げていました。
それが、いつしか星への願い事を
書くようになってゆきます。

儀式的な祭祀より、
人の思いに寄り添った神遊びの方が
行事としての永続性につながるのでしょうね。

梶の葉は、和紙の原料でもありますから
墨の字がとてもよくのります。
しかも、里芋の葉の朝露(天の川の雫)を
朝集めて、それで墨をするのです。

私は祖母が準備していてくれていたので
ただ書くだけだったのですが…
小学生の私にもありがたいものであることは
わかっていました。

さて、しかし東京ではなかなか
里芋の葉を探すことができません。

それで、この墨の水は
然るべき時のご神水などを
その時々に使っています。

しかし、もし、近くに農家さんなどあって
頂戴できるようだったら、ぜひ朝露を
探しに出かけてください。

昔の人々は願いの成就のために心のこもった準備を
全く厭わずになさっていますから
無理のない範囲で真似てみることは
素晴らしいことだと思います。

 

さて、このおまじないに力を与えてくれるのは、
水と星の霊力。

そして、織物を美しく織りあげるためには、
縦糸と横糸が和(やわ)しあうための調和の音振れを
呼び起こさねばなりません。

こうして、「七夕の儀」のために
準備するものが並べられます。

主役は梶の葉。

 

そして、
この日の”おまじないレシピ”がコチラです

星は、地上の人の願いを叶えてくれる存在。
そして月は、全ての答えを知っている存在なのだと
祖母はよく話してくれていました。

冷泉家さまの『乞巧奠』
などご覧になると、角盥という
貴族の姫君が使うような4本の角の形状が
美しい盥に梶の葉を浮かべますが
私たちは自分のお家にあるもので
水をはる器を準備させて頂きました。

この会は、zoomなので
私はパソコンに向かって
お話しさせて頂いたり
引きで撮影して頂いたりしておりました。

そして、
桜月流の『棚機津女』の歌舞も奉納。

 

さて、この会は、
一年通して続くことになりました!!
ありがとうございます!!

ぜひ、皆さまも、ご参加ください💓
MoNスタジオより、お待ちしています!!

 

⬜️次回の「みつるぎ節会」@ zoom⬜️
8/24(水)19:30
『 旧暦で祝う 八朔〜姫瓜の節会〜』

詳しくはイベント欄をご覧くださいね💫

https://fb.me/e/1H1uxFicD

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