桜月流美剱道
桜月流について
失われゆく“日本のツルギと音声の精神”を復興し、そこに芸術性の息吹を加えて進化するツルギの可能性に挑戦する日本で唯一の剱舞の流派 桜月流美剱道。
大和言葉を独特の旋律にのせて歌う「ヤマト歌」と自然界のリズムに基づいた呼吸で振り抜く剱との融合。いにしえの剱には、人と人・人と自然を調和させるための『魂の徳』を発動させる力があったと伝えられています。
桜月流の美剱は、「ヤマト歌と剱振り」によって互いの心を結い和し、人間本来の生命力にあふれた調和を生み出す技芸です。
桜月流の剱舞は「美剱(ミツルギ)」と名付けられています。また、刃を大切にするという思想から「剣」ではなく、「剱」の文字を使っています。
剱を用いて、武術と舞をひとつに合わせたこと。
それが桜月流の最大の特徴であります。
武術は実戦であり、舞は自然界との一体化を求める祈り。
あくまでも実戦ではなく「観せることを目的とした芸術性を求める美剱」として、この技芸は興されました。
そして、その基には、宗家 神谷美保子が一子相伝で受継いだ歌舞の精神性があり、宗家 神谷のみが「ヤマト歌の剱舞」という斎風の儀をおさめています。
桜月流の“剱”の技芸は、その危険を伴う交錯の中に
「剱を用いて、人と人・人と自然の調和を知る」という意義を持っていますが、そのメソッドは精神修養や常若、心の健康・身体の健康だけに留まらず、俳優さんにとっては殺陣の世界に、国内外で活躍するモデルさんたちにとっては和の風情を持つ身のこなしへと、使われています。
また、海外の方々には空手や合気道を学んだその先の「観せる武芸」として、桜月流の門を叩いてくださる方が少なくありません。
“剱メソッド”の教授については、
当流の第一師範 松木史雄がその任の長をつとめています。
その他の師範は、石綱寛、神谷昌志、戸田朱美(令和元年より)。
2009年 桜月流美剱道/O-Getsu Ryu は、
パリ ユネスコ本部より「武器を武器として扱わず、芸術へと昇華させたグループ」として認められ、世界ツアーを展開。ここにユネスコ世界会議に招聘されて、舞台作品「TSURUGI〜剱〜」を1500名の各国大使・関係者の前で披露。3万人を動員したヨーロッパ公演ツアーの締めくくりとすることになりました。
世界ツアーへ先立っては、人間国宝の演奏家と共に桜の神を祀る静岡浅間神社の能舞台、伊勢神宮への奉納舞を捧げました。
それは、古代人の例に習い、時分の技を天に奉納することを当流はとても大切に考えているからです。
宗家 神谷は神職でもありますが創流時より神社仏閣に関わらず縄文遺跡や世界各国の聖地での奉納活動にも心を傾けて来ました。
時の精鋭メンバーによる舞台公演・アートワークのほか、本部「美剱道場(西早稲田)」をはじめとする国内外での教授活動にも力を注いでいます。(詳しくは、レッスンのページをご覧ください。)
また、第一師範 松木史雄は、大河ドラマ『真田丸』の主演 堺雅人さんの専属殺陣アドバイザー(殺陣振付と所作指導)に代表される、殺陣やツルギ・コレオグラフを担当しています。
桜月流の美剱メソッドによる振付は、世界的にも評価を得ています。
桜月流美剱道には、ササグ=奉納、ワザヲグ=作品・公演、ウケツグ=継承という三本の柱があり、そのバランスと多様性が桜月流の特徴とも言えるでしょう。
【桜月流 ソードダンス・カンパニー・メンバー】
神谷美保子、松木史雄、石綱寛、神谷昌志、戸田朱美、
吉田理恵、実方愛、塩原亜門、丸山亜紀子、田中博文 ほか