蓬で作った「五月玉」です💫

声咲く

旧五月五日(6/3)でしたので、薬狩をしてきました!

薬狩は、丁度梅雨時にあたるこの日、野に出て薬草を摘むこと。
これは、古代の大切な宮中行事のひとつでした。

そして、今日は摘んだ蓬で
「五月玉(さつきだま)を作りました

実は、日本でも重んじられている端午の節句は、
推古天皇がなされた薬狩からはじまったと言われます。
男性は鹿の角を、女性は薬草を採るのです。
(万葉集にも額田王のお歌が残っています。)

大和当帰、紫草(むらさき)、蓬、
茯苓(ぶくしょう=サルノコシカケ科のきのこ)などを摘み、
時鳥の声と共に玉に貫いた
と古書に書かれています。
自然界の霊力を感じさせますね。

もちろん、なかなかそこまでとはいきませんが、
蓬は、一門たちの分までちゃんと摘むことが出来ました!!

蓬の香りが、心身の隅々にまで広がり尽くします。
あぁ、気持ちいいですっ
🌱

 

端午の節句というと、
菖蒲太刀、軒菖蒲、甲冑飾り、鯉のぼり…
そして、粽や柏餅をいただくわけですが
美しい「薬玉」も柱に掛けて飾りますね。

私も大好きな「薬玉」なのですが、
私は不器用なので、なかなかまん丸に草花を組んで
雅やかにつくることができません。

でも、「五月玉」なら
もう少し簡単に作ることができます💗

長い五色糸の玉は、肩から腰へ。
短い方は、肘にかけて使います。
「五月玉」は身につけるアイテムなのです。

 

 

これらを身につけると…

古来より、流行病を防ぎ
戦など争いをはね除けるという
言い伝えがあります。

まさに今、全人類の願いが込められたような玉です。
世界中の皆さんと分ちあいたい、祈りの形。

 

薬草について『日本書紀』では、
奈良県宇陀の人々が「芝草」や「仙草」を
食していたので病を得ずに長寿だったとあります。
さらには、天女となりて宙に飛んだという物語まで生まれました。

日本の薬草には神仙道的な神秘の力があると
信じられてきたのですね。和ハーブはすごいのです!! 

改めて考えてみると、

こうして無農薬で育った蓬を摘み
それを皆で分け合って
丸く重ね合わせながら玉を作り
身につけてみると。。。

なんだか、ゆったりとした気持ちになり、
呼吸も深くなってゆきます。
指にも髪にも薬草の香りが移るようで
稽古場全体がやわらかな雰囲気に包まれてゆきました。

こども達も、
それを肌で感じているようでした!

この「五月玉」に、
菖蒲など季節の花を挿し添えて雅に組むと、
柱などに掛ける「薬玉」になりまります。
ベースが同じですから薬効の香りが邪を払ってくれます。
後世、晴れやかな造花で飾り、
中に沈香や丁子などのお香を入れて
匂い玉になってゆきますが、
おまじないのはじまりはこのような
香り高い薬草の葉なのです
🌿

さて、なぜ、それを肩や肘に掛けたのでしょうか。

古く「たすき」には魔除けの力があるとされています。
神事でも、木綿(ゆふ)の「たすき」を
肩に掛けるということを致します。

そして、掛けるものは、揺れるもの。

歩いたり、手を動かす度に
この小さな「五月玉」は、ふるふると揺れます。
この「揺れる」ことが、
魂を震わすのではないでしょうか。

その振動が、
香りや気をイキイキと奮い立たせてくれて、
私たちは元気になり、
あらゆる攻撃を跳ね除けられるようになるのかもしれません
💫

 

 

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